2019-11-01

混乱が続く香港、市民の4割が海外への移住を希望

  • 海外不動産ニュース

情勢不安が続く香港では、市民の約4割の人々が海外への移住を希望していることがわかった。

香港中文大学の研究機関が行った今回の調査は、9月20~26日の期間に707名に電話でのアンケートを実施、回答者の42.3%が「機会があれば海外への移住を希望する」と答えた。(昨年12月の調査では、34%が移住希望と回答。)そのうち23%は、すでに移住の具体的計画を立て始めているという。

移住を希望する理由としては、「政治的混乱、社会的分裂が悪化しているため」(27.9%)、「民主主義が失われつつあるため」(21.5%)などが挙げられた。

事の発端は、6月9日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案に反対する大規模デモであった。その後一部の過激なデモ隊が暴徒化し、道路を封鎖する、火炎瓶を投げつける、地下鉄の駅を破壊する、中国本土と関係のある銀行やレストランを襲うなど、抗議は激しさを増していった。また香港国際空港のロビーも占拠され、MTR(地下鉄)は40年間の歴史で初めて全線で運休するなど、市民生活にも深刻な影響が出ている。

当初は富裕層の間で香港脱出の動きが目立っていたが、最近では中流層にまで広がりを見せている。

移住先としては、カナダ(17.5%)、オーストラリア(13.8%)、台湾(12.1%)などを希望する人が多いという。さらに物価の安さからマレーシアも人気の候補地となっている。

今年6月にデモが始まってからこれまで2,379名が逮捕されており、内100名近くは16歳以下の若者だという。デモの長期化は経済の面にも大きな影響を与えており、市民にも疲弊の色が見え始めているが、いまだ収束の兆しは見えない。しばらくは香港から目が離せない状況が続くであろう。

Photo: AFP

【参照】More than 40 per cent of Hongkongers want to emigrate amid ongoing protests, survey finds

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セカイプロパティ編集部
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