2021-03-27

市場の先行きが見えない中、売上好調を維持するシンガポールのコンドミニアム

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3月16日にシンガポール都市開発庁(Urban Redevelopment Authority)によって発表されたデータによると、今年2月の新規民間住宅の売り上げは975件(EC=エグゼクティブ・コンドミニアム(民間企業が手掛ける公共住宅)は除く)に上り、1月の売上件数620件より57.3%上昇したという。対前年比では、2倍以上の上昇率である。

不動産サービス大手コリアーズ・インターナショナル・シンガポール(Colliers International Singapore)関係者は、「新型コロナウィルスによる様々な影響については、今後市場が対処できるだろうという慎重な楽観的傾向も見られる。しかし今後、経済的低迷や大規模な失業が起これば、不動産需要は確実に影響を受けることになるだろう。」と話す。現時点では、今年1年間で9,800戸程度の売り上げが見込まれているという。

新型コロナウィルスが市場センチメントに大きく影響を及ぼす中、アメリカの中央銀行に当たる連邦準備銀行は政策金利を引き下げ、事実上のゼロ金利政策に踏み切った。この対策は、住宅需要を支えるものになると期待されている。

2月の外国人による不動産購入(公共住宅を除く)は44件で、1月の58件よりは減少したものの、2019年2月の19件からは大幅に増加した。このデータを見る限りでは、新型コロナウィルスの影響はまだ表れていないと言えるだろう。

先月の売り上げの上位を占めたプロジェクトとしては、「The M」(売上380戸、中間価格(*1)2,439ドル(約18.5万円))、「Treasure at Tampines」(売上97戸、中間価格1,379ドル(約10.5万円))、「Parc Esta」(売上53戸、中間価格1,686ドル(約12.8万円))などが挙げられる。(*1:1平方フィート当たりの価格)

一方、最も売り上げが多かったEC(エグゼクティブ・コンドミニアム)は、「Parc Canberra」(売上324戸、中間価格1,111ドル(約8.4万円))であった。「Parc Canberra」は120万ドル(約9,000万円)を下回る価格で購入可能で、その手頃感格などから初回の住宅購入者やHDBからのアップグレードを望む人々からの人気を集めている。


【参照】New launches dominate Singapore development sales for February amidst growing market uncertainty

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セカイプロパティ編集部
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