2019-10-02

中国・深圳市の不動産価格、香港を上回る

  • News

中国のシリコンバレーとの呼ばれる深圳市の不動産価格はここ数年上昇を続けており、アパートメントやフラットの価格は今や香港を上回る額に達している。

深圳市の住宅価格対所得比(price to income ratio=PIR)は30倍とも言われており、これは30年間所得を使わずに貯金してようやく住宅が購入できることを意味する。

住宅価格が最も高い都市の一つである香港のPIRは20.9倍となっており、今回の調査では、中国のアモイ市(27.15倍)や北京市(22倍)なども香港の数値を上回る結果となった。

さらに深圳市の一人当たりの収入はそう高くないことを鑑みると、住宅価格は香港を上回ったと言えるであろう。2018年の深圳市の住宅価格は1㎡当たり64,387元(約97.4万円)であった。

政府は先月、深圳市を東京やサンフランシスコと並ぶ「世界都市」とすべく、かなり攻めの姿勢とも言えるマスタープランを発表しており、住宅価格は今後さらに上昇することが予想されている。

深圳市は1970年代後半、毛沢東後の中国の最高指導者・鄧小平による改革開放路線で経済特区に指定され、目覚ましい経済発展を遂げたが、同時に深刻な土地不足にも直面した。

しかし超狭小住宅に住まざるを得なく、かつ実際に住むまでに6年も待たなければならない状況に置かれている香港市民に比べれば、深圳市の人々はまだましである。深圳市の自治体は、不動産市場のけん引力や競争力を維持するため、低所得層や働き始めたばかりの若者向けに相応の賃貸用住宅が優先的に割り振られるような対策をとっている。また市内の企業の中には、無償もしくは手当付きで従業員用住宅を用意するところもあるという。

中国の他都市においては、財源を土地オークションや住宅取引にかかる税金に頼らざるを得ない部分が大きいが、テクノロジー産業や貿易部門の成長が著しい深圳市では事情が異なるという。2018年の深圳市の土地収入は、財政収支の総額9,102億元(約13兆7,630億円)に対し、449億元(約6,790億円)であった。

【参照】Shenzhen property costs more than HK : report

海外不動産の最新動向が届くメールマガジンの登録はこちら。

メルマガ会員登録を行う

セカイプロパティ編集部
海外不動産投資に関する最新情報を発信中。